

届いたばかりのKatabatic LT GTXを履いて、まずは自宅裏の低山へテストランに出発。ゴアテックスシューズはほとんど履いたことがないが、この日は雨上がり。気軽に走れるし、さっそく性能を試すには絶好のコンディションだった。
足入れの感覚は、初めて履くとは思えないほど違和感なくフィット。慣れないシューズを履いたときに感じるアタリもなく、タンに厚みがあるのでシューレースを締めても甲にフィットして気持ちいい。この日のトレイルは雨上がりでかなり路面が悪く、ぬかるんでいるところや滑りやすい岩場もあったが、足置きの角度に気をつければ滑る心配はなくしっかりグリップしてくれた。沼のようなぬかるみも避けられず何度も泥に足をつけたが、染み込んでこないのには驚いた。防水性への安心感から、最後まで普段通りの走りを楽しめた。トレイルを抜けてロードに出ても、アスファルトの硬さを感じることもなく快適だった。

数日後、今度は雲取山へ。この日は降水予報があったので、迷わずKatabatic LT GTXを選んだ。結局雨は降らなかったが、履き心地の良さは変わらず、自分の足に合っているのかストレスフリーに走れた。ペースを上げられる場面では足運びがスムーズで快適。急登のドライな岩場ではアウトソールがしっかり食い込んでグリップしてくれ、急斜面のザレ場では足を取られることなく安定して下ることができた。
ゴアテックス採用のシューズはその高い防水透湿性に反して内側が蒸れやすいと聞いていたが、およそ9時間の行程でも、多少汗で蒸れを感じることはあったものの、不快になることはなかった。
また、適度なクッションは翌日の脚のダメージ軽減にもつながった。

シューズを洗っていて気づいたのが中敷の素晴らしさ。よくあるオマケのようなものでは なく、かかとのカーブに沿う立体形状でヒールカップにぴったり密着するようになっていた。なるほど、だから中で足が動かずホールド状態になってブレを感じなかったのだ、と妙に納得。
さらにソールをよく見ると、前足部分は推進力を高め、後足部分は岩をしっかりグリップするような絶妙なラグパターンになっているようだ。深さもそれなりにあり、かつ硬めなので、すり減りも少なそう。しかもつま先からかかとまでが繋がったフラットソールだから、動きの激しいトレイルランニングにも十分おすすめできる。
気になったのは、踵についているループが横向きなので杭や木に引っかかるかも、という点と、カラー展開が2色ともベーシックで控えめなところ。遊び心のあるカラーがひとつあっても良いのではないだろうか。
それでも、Katabatic LT GTXの防水性と履き心地なら、雨上がりの悪路でも安心して走り出せる。今まで、こうした天候のときはトレーニングを諦めていたが、もうそんな心配はなさそうだ。